日本リージョンがある海外VPSはどこか
海外VPSを日本から使うとき、最初にして最大の分岐点が「日本リージョンがあるか」です。ここを外すと、どれだけ安くても用途によっては使い物になりません。
当サイトは各VPS事業者のアフィリエイトプログラムに参加しており、リンク経由でのお申し込みにより報酬を受け取る場合があります。ただし掲載順位・評価・実測データは編集方針と計測結果のみに基づいており、報酬額による優遇は一切行いません。日本リージョンが無い事業者や、報酬が発生しない事業者も同じ基準で掲載しています。
「海外VPSは安いが遅いのでは」という不安は、半分正しく半分間違っています。日本リージョンを持つ会社を選べば、国内VPSとほぼ変わらない速度で使えます。逆に日本リージョンがない会社を選ぶと、シンガポール経由でも往復70ms以上、米国なら100ms以上が乗ります。
まず結論から。
日本リージョンを持つのはこの4社
| サービス | 日本リージョン | 最寄り(日本なしの場合) | 最安月額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Vultr | 東京 nrt 大阪 osa |
— | $2.50 約388円 |
アジア最大級の拠点。在庫は潤沢 / 西日本向け・冗長構成の副系に |
| Contabo | 東京 jp |
— | €4.99 約838円 |
日本・韓国向け。転送量無制限 |
| Linode (Akamai) | 東京 jp-tyo-3 大阪 jp-osa |
— | $5 約775円 |
拡張リージョン。新世代ハード+VPC/Firewall無料 / コアコンピュートリージョン |
| Hetzner | なし | シンガポール | €3.79 約637円 |
2024年開設。実測で日本から約67ms |
| DigitalOcean | なし | シンガポール | $4 約620円 |
実測で日本から約75ms |
| RackNerd | なし | ロサンゼルス | $1.83 約284円 |
実測で日本から約107ms |
| Oracle Cloud | 東京 ap-tokyo-1 大阪 ap-osaka-1 |
— | 無料枠あり 0円 |
無料枠の在庫が特に枯渇しやすい / 東京より在庫が取れることがある |
日本リージョンを持つのは Vultr・Linode(Akamai)・Contabo・Oracle Cloud の4社です。このうち東京と大阪の両方を選べるのは Vultr・Linode・Oracle Cloud の3社、Contabo は東京のみです。
一方、コスパで人気の Hetzner・DigitalOcean・RackNerd には日本リージョンがありません。安さだけを見て選ぶとここで失敗します。
そもそも日本リージョンだと何が変わるのか
変わるのは主に3つです。
1. 往復遅延(RTT)
体感に一番効きます。目安は次のとおりです。
| 接続先 | 往復遅延の目安 | 体感 |
|---|---|---|
| 国内(東京・大阪) | 3〜20ms | 国内VPSと区別がつかない |
| 韓国・台湾 | 30〜50ms | わずかに引っかかる |
| シンガポール | 70〜100ms | SSHの入力に遅れを感じる |
| 米国西海岸 | 100〜140ms | ゲーム・トレードは厳しい |
| 欧州 | 220〜280ms | 対話的な操作は苦痛 |
SSHでコマンドを打つとき、往復100msだとキー入力の反映が明確に遅れます。作業効率に直接効くので、開発用に常用するなら日本リージョンの価値は高いです。
2. ダウンロード・アップロード速度
遅延が大きいとTCPのスループットも落ちます(帯域遅延積の問題)。同じ回線契約でも、遠いサーバーからのダウンロードは目に見えて遅くなります。大きなDockerイメージやLLMのモデルファイルを頻繁に往復させるなら効いてきます。
3. 法令・データの所在
個人利用ではあまり問題になりませんが、業務で使う場合はデータの物理的な所在地が問われることがあります。日本リージョンならこの説明が簡単になります。
落とし穴:「東京リージョン」でも速いとは限らない
ここが、スペック表だけを並べた比較サイトでは分からない部分です。
リージョン名は設備の設置場所を示すだけで、そこへ至る経路が最適である保証はありません。実際に起きるのは次のようなことです。
- 東京にサーバーがあるのに、経路が海外のバックボーンを経由して遠回りしている
- 特定のISP(特に一部のモバイル回線)からだけ経路が悪い
- 夜間のピーク時間帯だけ混雑して遅延とパケットロスが増える
つまり「東京リージョンあり」という表記は必要条件であって十分条件ではないということです。
| サービス | リージョン | 平均RTT | 最小 | ゆらぎ | ロス | ホップ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Linode (Akamai) | 東京 (jp-tyo-3) | 0.7 | 1.2 | 0% | 9 | |
| Vultr | 東京 (nrt) | 0.4 | 2.2 | 0% | 7 | |
| Oracle Cloud | 東京 (ap-tokyo-1) | 1.8 | 1.6 | 0% | 8 | |
| Vultr | 大阪 (osa) | 6.5 | 1.6 | 0% | 9 | |
| Linode (Akamai) | 大阪 (jp-osa) | 8.0 | 0.8 | 0% | 17 | |
| Oracle Cloud | 大阪 (ap-osaka-1) | 8.5 | 1.7 | 0% | 6 | |
| Vultr | ソウル (参考) | 31.4 | 1.6 | 0% | 10 | |
| Hetzner | シンガポール (sin) | 67.0 | 0.2 | 0% | 6 | |
| Linode (Akamai) | シンガポール (参考) | 67.3 | 1.1 | 0% | 10 | |
| Vultr | シンガポール (参考) | 67.9 | 3.6 | 0% | 9 | |
| DigitalOcean | シンガポール (sgp1) | 74.3 | 2.1 | 0% | 13 | |
| Vultr | ロサンゼルス (参考) | 107.0 | 0.6 | 0% | 9 | |
| DigitalOcean | ニューヨーク (nyc3) | 140.6 | 1.2 | 0% | 16 | |
| Vultr | アムステルダム (参考) | 223.4 | 1.6 | 0% | 15 | |
| Hetzner | フィンランド (hel1) | 228.3 | 0.7 | 0% | 14 | |
| Hetzner | ドイツ (fsn1) | 228.5 | 5.7 | 0% | 11 |
計測日時: 2026-07-30T18:06:39+02:00 / 計測地点: 日本国内(東京) / ICMP ping x15 + MTR x5。計測方法の詳細
各社の日本リージョンを個別に見る
Vultr — 東京・大阪の2拠点
日本リージョンを重視するなら第一候補です。東京はアジアでも古くからある大きな拠点で在庫が安定しており、大阪も選べるので冗長構成が組めます。時間単位課金なので「1日だけ立てて計測して壊す」という使い方ができるのも、この用途では効きます。
Linode(Akamai) — 東京・大阪、ネットワーク品質重視
Akamaiのバックボーンに乗っているぶん、経路品質が安定しています。東京は新しいハードウェア世代の拡張リージョン(jp-tyo-3)が使え、VPCとCloud Firewallが無料で付きます。
注意点として、旧東京リージョンは新規作成できません。古い解説記事のとおりに操作すると選択肢に出てこないので、jp-tyo-3 を選んでください。
Contabo — 東京のみ、ただし転送量無制限
同じ金額で載るスペックが頭ひとつ抜けています。4vCPU/8GB が €4.99 という価格は他社の3分の1程度です。さらに日本リージョンは転送量が無制限と公式に明記されており、大容量の配信やバックアップ用途と相性が良いです。
引き換えに、時間課金がない(最低1ヶ月分は発生する)こと、共有環境なので性能のブレが大きいこと、サポートの応答が遅いことは織り込む必要があります。
Oracle Cloud — 東京・大阪が無料枠で使えるが、在庫が取れない
条件だけ見れば最強です。ARM 4コア / 24GB RAM が永年無料で、東京・大阪リージョンがあり、管理画面も日本語です。
ただし無料枠のインスタンスは在庫が慢性的に枯渇していて、作成しようとしてもエラーになることがほとんどです。加えてアカウントが予告なく停止された事例も報告されています。本番用途には推奨しません。「取れたらラッキー」の枠として考えてください。
日本リージョンがない会社はどう使うか
Hetzner・DigitalOcean・RackNerd は日本リージョンを持ちませんが、用途を選べば十分に合理的な選択肢です。
レイテンシが体感に影響しない用途であれば、距離は問題になりません。
- CI/CDのビルドサーバー
- 定期バッチ、クローラー、スクレイピング
- バックアップの保管先
- 開発用の使い捨て環境
特にHetznerのARM64プランは同スペック帯で世界最安クラスなので、「遅くても困らない処理」を逃がす先として非常に強いです。
詳しくは日本リージョンがない海外VPSの使いどころで解説しています。
用途別:日本リージョンは必須か
| 用途 | 推奨RAM | 候補 | 選び方のポイント |
|---|---|---|---|
| Claude Code / AIエージェント常駐 | 4GB | Vultr、Contabo、Linode (Akamai) | 常時稼働のエージェントを置く。RAMとディスクI/Oが効く |
| ローカルLLM (Ollama等) | 16GB | Contabo、Hetzner、Oracle Cloud | CPU推論なら大容量RAM、速度が要るならGPU |
| トレードBot (Hyperliquid/DEX) | 2GB | Vultr、Linode (Akamai) | 取引所APIへのレイテンシが収益に直結 |
| FX自動売買 (MT4/MT5) | 4GB | Contabo | Windows VPSが必要。24時間安定稼働が前提 |
| セルフホスティング | 1GB | Vultr、Contabo、Linode (Akamai) | ブログ・Nextcloud・Gitea等。コスパ優先で選べる |
| ゲームサーバー (Minecraft等) | 4GB | Vultr | 同時接続数×RAM。日本リージョン必須 |
判断に迷う場合は、次の基準で考えてください。
結局どれを選べばいいか
3行でまとめます。
- 日本リージョンが要る、迷いたくない → Vultr(東京・大阪、時間課金)
- 日本リージョンが要る、スペック単価を最優先 → Contabo(東京、8GBが€4.99、転送無制限)
- 日本リージョンは不要、とにかく安く → Hetzner(ARM64が最安、ただし最寄りはシンガポール)
用途と予算から機械的に絞りたい場合は、診断を使ってください。
30秒でVPS診断
5問に答えると、日本リージョンの有無・用途・予算・必要メモリから最適な1社を提案します。
PR
日本リージョンで迷ったらまずVultr
東京・大阪の2拠点があり、時間単位課金なので合わなければすぐ捨てられます。日本リージョンを試すコストが最も低い選択肢です。
- 日本リージョン: 東京・大阪
- 最安 $2.50〜 / 時間単位
- 東京・大阪の2拠点で日本からのレイテンシが最小
上記は広告リンクです。新規登録クレジット(金額・期間はキャンペーンにより変動)。価格・特典は公式サイトの表示が最新です。
よくある質問
海外VPSで東京リージョンがあるのはどこですか
Vultr(東京・大阪)、Linode/Akamai(東京・大阪)、Contabo(東京)、Oracle Cloud(東京・大阪)の4社です。Hetzner、DigitalOcean、RackNerdには日本リージョンがありません。
日本リージョンがないVPSは使えませんか
用途によります。ビルド、バッチ処理、バックアップ、非同期のクローラーなど、応答速度が体感に影響しない用途なら問題なく使えます。むしろHetznerのように日本リージョンがない会社のほうがコスパは上です。避けるべきなのはゲームサーバー、トレードBot、日本のユーザーが直接アクセスするWebサービスです。
東京と大阪はどちらを選ぶべきですか
首都圏から使うなら東京、関西から使うなら大阪が基本ですが、差は数ミリ秒です。それより在庫状況とプランの選択肢で決めたほうが実用的です。冗長構成を組むなら東京と大阪に分けるのが有効です。
東京リージョンと書いてあれば必ず速いですか
いいえ。リージョン名は設置場所を示すだけで、経路が最適とは限りません。海外のバックボーンを経由して遠回りしている場合、地理的に近くても遅くなります。当サイトが経路まで実測しているのはこのためです。