東京リージョンと大阪リージョン、どちらを選ぶか
東京と大阪の両方が選べるとき、何を基準に決めるべきか。結論から言えばレイテンシ差はほとんど意味を持たず、判断すべきは別の点です。
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東京と大阪の両方を選べるのは Vultr、Linode(Akamai)、Oracle Cloud の3社です。Contabo は東京のみなので、この記事の対象外になります。
結論:レイテンシで選ぶ意味はほぼない
先に結論を出します。東京と大阪のレイテンシ差は、ほとんどの用途で判断材料になりません。
東京・大阪間の物理距離は約400km。光ファイバ中の信号速度から計算すると、往復の理論下限は約4msです。実際の経路では中継装置を経由するぶん上乗せされます。
当サイトの東京の計測ノードから実測した値が次のとおりです。
| サービス | 東京リージョン | 大阪リージョン | 差 |
|---|---|---|---|
| Vultr | 1.69ms | 7.85ms | 6.2ms |
| Linode | 1.61ms | 8.62ms | 7.0ms |
| Oracle Cloud | 2.87ms | 9.19ms | 6.3ms |
差は6〜7ms程度です。この差は、SSH操作でもWebアクセスでも体感できません。意味を持つのは、ミリ秒単位が収益に直結するトレードBotくらいです。
関西から計測すれば当然この関係は逆転しますが、差の大きさ自体は同程度と考えて構いません。
実際に計測した値は実測データのページで公開しています。
| サービス | リージョン | 平均RTT | 最小 | ゆらぎ | ロス | ホップ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Linode (Akamai) | 東京 (jp-tyo-3) | 0.7 | 1.2 | 0% | 9 | |
| Vultr | 東京 (nrt) | 0.4 | 2.2 | 0% | 7 | |
| Oracle Cloud | 東京 (ap-tokyo-1) | 1.8 | 1.6 | 0% | 8 | |
| Vultr | 大阪 (osa) | 6.5 | 1.6 | 0% | 9 | |
| Linode (Akamai) | 大阪 (jp-osa) | 8.0 | 0.8 | 0% | 17 | |
| Oracle Cloud | 大阪 (ap-osaka-1) | 8.5 | 1.7 | 0% | 6 | |
| Vultr | ソウル (参考) | 31.4 | 1.6 | 0% | 10 | |
| Hetzner | シンガポール (sin) | 67.0 | 0.2 | 0% | 6 | |
| Linode (Akamai) | シンガポール (参考) | 67.3 | 1.1 | 0% | 10 | |
| Vultr | シンガポール (参考) | 67.9 | 3.6 | 0% | 9 | |
| DigitalOcean | シンガポール (sgp1) | 74.3 | 2.1 | 0% | 13 | |
| Vultr | ロサンゼルス (参考) | 107.0 | 0.6 | 0% | 9 | |
| DigitalOcean | ニューヨーク (nyc3) | 140.6 | 1.2 | 0% | 16 | |
| Vultr | アムステルダム (参考) | 223.4 | 1.6 | 0% | 15 | |
| Hetzner | フィンランド (hel1) | 228.3 | 0.7 | 0% | 14 | |
| Hetzner | ドイツ (fsn1) | 228.5 | 5.7 | 0% | 11 |
計測日時: 2026-07-30T18:06:39+02:00 / 計測地点: 日本国内(東京) / ICMP ping x15 + MTR x5。計測方法の詳細
では何で選ぶべきか
1. 在庫とプランの選択肢(最重要)
実務上いちばん効くのがこれです。
東京リージョンのほうが選べるプランが多い傾向があります。特にGPUインスタンスや大きめのプランは、東京にはあっても大阪にはないことがあります。Vultrの場合、東京は古くからある大きな拠点なので在庫が安定しています。
逆にOracle Cloudの無料枠に限っては、東京より大阪のほうが在庫を確保できるという報告が多くあります。無料枠狙いなら大阪から試す価値があります。
2. 冗長構成を組むかどうか
冗長化を考えているなら、東京と大阪に分けるのが最も効果的です。
同じリージョン内でインスタンスを2台立てても、そのデータセンター自体が落ちれば両方止まります。地域を分ければ、地震や大規模停電のような地域単位の障害に耐えられます。VultrとLinodeはどちらも両リージョンを持つので、同一アカウント・同一請求のまま構成できます。
3. Linodeは「新しい東京」を選ぶこと
Linodeを使う場合に必ず注意すべき点があります。
Linodeの東京リージョンには世代があり、旧東京リージョンは新規作成できません。現在選べるのは拡張リージョンの jp-tyo-3 です。ここは新しいハードウェア世代で、VPCとCloud Firewallが無料で使えます。
古い日本語の解説記事の手順どおりに進めると「東京が選択肢に出てこない」と混乱しますが、Tokyo 3 や jp-tyo-3 という表記を探せば問題ありません。
4. どちらでもいいなら東京
判断材料が特にないなら東京を選んでおけば無難です。理由は単純で、情報量が違います。トラブルシューティングの記事も、他のユーザーの報告も、東京リージョンのものが圧倒的に多いので、詰まったときに解決しやすくなります。
用途別の推奨
| 用途 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 迷っている・一般用途 | 東京 | 在庫・プラン・情報量すべてで有利 |
| 関西在住で個人利用 | 大阪 | わずかに近い。実害のない範囲で最適 |
| トレードBot | 取引所に近いほう | ミリ秒が効く唯一の用途。要実測 |
| 冗長構成 | 東京+大阪 | 地域分散の効果が最も大きい |
| Oracle Cloud無料枠 | 大阪から試す | 東京より在庫が取れる報告が多い |
| ゲームサーバー | プレイヤーの所在地 | 参加者が集中する地域に合わせる |
トレードBotの場合だけは実測すること
唯一、東京と大阪の選択が結果に効くのがトレード用途です。
ただし「東京リージョンなら速い」と単純化はできません。重要なのは取引所のAPIエンドポイントまでの経路であって、自宅からVPSまでの距離ではないからです。
取引所のサーバーが海外にあるなら、東京リージョンから接続しても海外まで出ていくことになります。この場合、東京と大阪の差より「その取引所に近いリージョンはどこか」のほうが遥かに重要です。
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東京と大阪、両方試してから決める
Vultrは時間単位課金です。東京と大阪に1台ずつ立てて実測し、遅いほうを消す。この検証が数十円でできるのが最大の利点です。
- 日本リージョン: 東京・大阪
- 最安 $2.50〜 / 時間単位
- 東京・大阪の2拠点で日本からのレイテンシが最小
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よくある質問
東京と大阪でレイテンシはどれくらい違いますか
東京・大阪間の物理距離は約400kmで、光ファイバ上の往復遅延は理論値で約4msです。実際の経路では東京から大阪リージョンへ5〜12ms程度になることが多く、体感で区別できる差ではありません。
関西在住なら大阪リージョンを選ぶべきですか
わずかに有利ですが、決定的ではありません。それより在庫やプランの選択肢を優先したほうが実用的です。ただしレイテンシが収益に直結するトレードBotのような用途では、少しでも近いほうを選ぶ意味があります。
東京と大阪の両方にサーバーを置く意味はありますか
あります。同一リージョン内の冗長化はデータセンター障害に弱く、東京・大阪に分散させれば地域単位の障害や災害に耐えられます。VultrとLinodeはどちらも両方のリージョンを持つため、同一アカウント内で構成できます。
大阪リージョンのほうが安いことはありますか
VultrとLinodeでは東京と大阪で価格差はありません。Oracle Cloudの無料枠では、東京より大阪のほうが在庫を確保できる場合があると報告されています。